

オリーブの木は、地中海沿岸を原産とする常緑樹で、観葉植物やシンボルツリーとして日本でも人気があり、乾燥に強く手がかからない反面、放っておくと枝が伸びすぎてしまい、見た目や実の付きに悪影響を及ぼすこともあります。
この記事ではオリーブを長く美しく、そして実り豊かに育てるための必須メンテナンスとしての剪定について時期や方法、注意点に詳しく解説します。
オリーブについて

オリーブの品種
一口にオリーブと言っても、観賞用か果実の収穫によって様々な品種があります。
観賞用・シンボルツリー向けオリーブ品種
品種名 | 特徴 |
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ネバディロ・ブランコ | 葉の色が明るめで庭のアクセントに良く、樹形が整いやすく、育てやすい上、国内流通量も多く、初心者向け |
ルッカ(ルカ) | 枝ぶりが繊細でエレガントな雰囲気を持ち、葉色がやや濃く洋風の外構と相性◎ |
ミッション | 樹高が高くなりやすく、シンボルツリー向けだが、病害虫に強く日本でも育てやすい |
実の収穫が楽しめる品種
品種名 | 特徴 |
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マンザニロ | スペイン原産で、果実はまるくて大きくテーブルオリーブやピクルスに人気で実付きが良い |
レッチーノ | 花粉をよく出すので他品種の受粉樹にも適する、イタリア原産でオイル向け |
フラントイオ | 風味豊かなオイルを搾れることで知られ、観賞・収穫どちらもバランス◎ |
品種選びのポイント
実を収穫したい場合は自家不結実性が多いので、異なる品種を2本以上植えるのが基本です。
剪定や管理を楽にしたい場合は「ネバディロ・ブランコ」か「ミッション」が人気で、寒冷地なら鉢植え+耐寒性のある品種(例:ミッション)を選ぶのがおすすめです。
オリーブの剪定について
オリーブの剪定の主な目的は以下の通りです。
- 風通しと日当たりの改善
- 樹形の美しさを保つ
- 果実の収穫量・品質アップ
オリーブ剪定のベストな時期とは?
オリーブの剪定で最も重要なのは剪定の時期を見極めることであり、比較的強健とはいえ剪定次第でその年の成長や収穫に大きな影響が出ます。
剪定に適した時期は「春」と「秋」
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春(3月〜4月頃)
冬の寒さが和らぎ、木が活動を再開する時期であるため、この時期に剪定すると新しい芽が元気に伸びやすく、特に大きく形を整えたいときは春剪定がおすすめです。 -
秋(9月〜10月頃)
夏の成長が落ち着いた後、不要な枝を整理するのに最適で、軽めの剪定で風通しを良くしておくことで、冬越しの準備にもなります。
剪定を避けるべき時期
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真夏(7月〜8月)
暑さで木が弱っている時期に剪定すると、ダメージが大きくなりやすいので強剪定は控えましょう。 -
真冬(12月〜2月)
オリーブは寒さにあまり強くないため、この時期に切ると剪定部分から枯れこむ可能性があります。
オリーブ剪定の基本手順とコツ

ここでは、切るべき枝と手順を解説します。
剪定で切るべき枝は?
- 交差枝(こうさし)
傷がつくと病気の原因になるため、早めにカットする - 徒長枝(とちょうし)
実がつきにくく、樹形を乱す原因にもなるので、根元から切る - 枯れ枝・病気枝
早めに取り除くことで健康を保つことができる
剪定の手順とコツ
まずは木の形を全体的に確認し、3種の不要枝を見つけたら根元から切り落とし、中心を開ける意識で内向きの枝は思い切ってカットしましょう。
切り口は清潔な剪定ばさみを使い、なるべく枝の根元に近い位置で切ると切り口からの病気侵入も防げます。
オリーブの剪定でよくある失敗とその対処法
オリーブの剪定でよくある失敗例と、その対処法を紹介します。
よくある失敗①:切りすぎてしまった!
「思い切ってスッキリさせよう」と枝を大量に切りすぎてしまうと、樹勢が弱まり、回復に時間がかかることもあります。特に春先の強剪定は注意が必要です。
対処法:
木の体力が落ちているようであれば、剪定後の水やりと追肥をしっかり行い、次は「枝葉の3分の1以内」に収めるよう意識すると安全です。
よくある失敗②:枯れ枝を見落とした!
外見では分かりづらい枯れ枝は見落とされがちですが、残しておくと病害虫の温床になることがあります。
対処法:
剪定前に枝の先端を軽く折ってみるのも一つの手で、柔軟性がなくポキっと折れるものは枯れ枝の可能性が高いので、根元から切除します。
よくある失敗③:切り口が雑で病気が入る
切り口がギザギザだと、そこから病原菌が入り込みやすくなります。
対処法:
切れ味の良い剪定ばさみを使い、できるだけ滑らかにカットし、特に太い枝を切る際はのこぎりも併用するときれいに仕上がります。
剪定後の手入れと育て方
オリーブを元気に育て続けるためには、剪定後のケアも非常に重要です。
剪定後に必要なケア
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水やり:剪定後は一時的に水分の蒸散量が減りますが、根の乾燥を防ぐために適度な水やりは必要なので、土が乾いたらたっぷりと与えましょう。
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追肥:春の剪定後であれば、有機質の肥料を軽く施すと回復が早まりますが、肥料のやりすぎは逆効果なので注意しましょう。
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切り口のチェック:数日後にもう一度、切り口に異常がないか確認し、傷口が黒ずんでいたり、湿っている場合は病原菌が侵入している可能性があります。
年間を通じた育て方のポイント
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日当たりを重視し、年間を通してよく日の当たる場所で
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密植は避け、風通しの良い環境を心がけましょう
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春に大きな剪定、秋に軽い整理剪定という流れが理想的
オリーブの剪定|まとめ
この記事ではオリーブの種類と剪定について解説しました。
- オリーブの剪定の目的は、風通しの改善、樹形の維持、果実の収穫アップなど
- オリーブの剪定は特に春と秋がベストタイミング
- 交差枝・徒長枝・枯れ枝を中心に、内向きの枝を取り除く
こちらの記事があなたの庭のオリーブが元気に育つ助けとなれば幸いです!