果樹の剪定

ブルーベリーの剪定|時期・方法・品種別の育て方も解説

ブルーベリー剪定
midori
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ブルーベリー大好き!育ててみたいけど難しいのかな?
itsuki
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家庭菜園で人気ですよね、剪定や育て方のコツを学びましょう!

ブルーベリーは北米原産の落葉性低木で、果実の美味しさと栄養価の高さから家庭菜園で非常に人気のある果樹で、コンパクトに育てられる上、毎年安定して収穫できるのも魅力のひとつです。

この記事ではブルーベリーの育て方とお手入れについて解説します。

ブルーベリーについて

ブルーベリー

ブルーベリーの木はツツジ科スノキ属の落葉低木で、品種によって高さは約50cm〜2m程度に成長し、酸性土壌を好み、水はけと保水性の良い土が適しています。

ハイブッシュ系とラビットアイ系に分類され、寒冷地向け・暖地向けで適した品種が異なり自家受粉もしますが、異なる品種を一緒に植えると実付きが良くなります。

  • 豊富な栄養:アントシアニンやビタミンCを含み、健康志向の家庭にも最適
  • 鉢植えでもOK:浅根性で鉢植え栽培にも向き、ベランダ菜園にもおすすめ
  • 管理が比較的簡単剪定と施肥を覚えれば、毎年収穫を楽しめる

さらに、春には白やピンクの可愛らしい花が咲き、秋には紅葉も楽しめて、果実・花・葉をトータルで楽しめるのも人気の理由です。

ブルーベリーの主な品種と剪定の違い

ブルーベリーラビットアイ

ブルーベリーには複数の系統がありますが、それぞれの品種に応じて剪定の強さを調整することで、枝の負担を減らしつつ安定した収穫が見込めるので、剪定前に品種を確認しておくことが大切です。

地域 おすすめ系統 備考
北海道・東北 ノーザンハイブッシュ系 冬の寒さに強い
関東~関西 サザンハイブッシュ or ラビットアイ系 地域により選択を
九州~沖縄 ラビットアイ系 暑さに強く栽培しやすい

品種によって収穫時期(6月〜8月)や味わいも異なるため、家庭用でも複数植えることで長く収穫を楽しめます。

ハイブッシュ系(Highbush)

樹高1.5~2m程度で、実が大きく、甘みと酸味のバランスがよいですが、病害虫にやや弱い傾向にあり、さらに2タイプに分かれます。

実は前年に伸びた1年枝につくので、収穫後に古枝を更新するのが重要で中~強めの剪定が必要です。

ノーザンハイブッシュ(Northern Highbush)

寒冷地向け(北海道~関東北部)で、冬に一定の寒さ(休眠に必要)が必要な品種です。

代表品種:ブルークロップ、バークレー、デュークなど

サザンハイブッシュ(Southern Highbush)

暖地向け(関東南部~九州)で、ノーザン系に比べて低温要求性が少ない品種で、剪定はやや軽めに行います。

代表品種:オニール、ジョージアジェム、シャープブルーなど

ラビットアイ系(Rabbiteye)

樹高2m以上と高めに育つ品種で、暖地向けで関西以西で育てやすく、実はやや小ぶりで酸味が強く、収穫期に甘くなります。

収穫量が多く、栽培が比較的容易ですが、異品種との受粉(他家受粉)が必要なのと、成長が旺盛で、枝数が増えて放置すると実が小さくなりやすいため、積極的な間引き剪定が必要です。

5〜6年経った主枝は切り落として他の枝に更新すると良いでしょう。

代表品種:ホームベル、ティフブルー、ブライトウェル、ウッダードなど

③ ローブッシュ系(Lowbush)

北米原産で、寒冷地に自生して樹高は30~60cm程度と低く地を這うように育ち、実は小粒だが、風味が濃厚で加工品に向きますが、日本ではあまり一般的ではありません。

ブルーベリー剪定の適切な時期

ブルーベリーは剪定によって毎年の実付きが大きく左右され、樹勢をコントロールしつつ、実をつけやすい枝を育てることがポイントです。

1月〜2月(休眠期) 主剪定で不要な枝を間引き、枝数と形を整える
6月〜7月(収穫後) 徒長枝や混み合う部分をカットして、通気性を確保する
秋〜初冬 基本的に剪定は行わず、枝を休ませて樹勢回復に集中させる

特に1〜2月の休眠期に行う主剪定が重要で、この時期に樹形を整えると春からの成長がスムーズになります。

剪定方法とコツ

ブルーベリーの剪定は、実をつける枝と不要な枝を見極めながら行い、以下のような枝は優先的に切りましょう。

  • 古い枝:3年以上経過した太枝は実付きが悪くなるため、根元から切る
  • 交差している枝:風通しを悪くする原因となるため、交差部から切り落とす
  • 徒長枝:まっすぐ勢いよく伸びた枝は樹形を乱すため、短く切り戻す

また、収穫の多くは1年目に出た新梢(しんしょう)につくため、新しい枝はできるだけ残しすと、剪定後は枝数がやや少なく感じても翌春には新芽がしっかり伸びてきます。

また実をならせすぎないことも品質を保つポイントで、植え付け1〜2年目はあえて実をつけさせず、株の成長を優先させると良いでしょう。

  1. 1年目:主軸を数本に絞り、実をつけさせず枝の成長を促進する
  2. 3年目:混み合った枝や古枝を間引き、骨格を整え始める
  3. 5年目以降:主軸枝を3〜5本に整理、古枝は更新、日当たり・風通しを意識
midori
midori
早く実がなってほしいけど、木に力を蓄えさせるために必要な年数なんだね!

剪定後の管理とよくある失敗例

切り口のケアと水やり

太い枝を切った後は癒合剤を塗布して保護することで雑菌の侵入を防ぎ、剪定後は樹木の吸水量が一時的に減る為、過湿に注意しながら土の状態を確認しましょう。

剪定しすぎに注意

実をつける新梢を切ってしまうと、翌年の収穫が激減してしまうので、きちんと残すべき枝を見極め、選んで残すことが鉄則です。

剪定は樹を整える作業であると同時に、翌年の実りを仕込む作業でもある為、やりすぎを避け、毎年の様子を観察しながら調整するのが長く楽しむコツです。

ブルーベリー剪定|まとめ

ブルーベリーは、正しい剪定と品種に応じた管理を行えば、毎年美味しい果実を収穫できる理想的な家庭果樹であり、今回の記事では以下のポイントを紹介しました。

ブルーベリー剪定まとめ
  • 剪定は1〜2月が基本だが、収穫後や梅雨前の軽剪定も可
  • 剪定の基本は古枝を切って新梢を残す・花芽や実を意識して作業
  • 品種ごとに剪定の強さを調整する

「剪定=果実の設計図づくり」と考え、ブルーベリーを長く楽しむために、ぜひ本記事を参考にしながら、毎年の剪定と育成に取り組んでみてください。