かつて植木屋さんへのお茶出しは、日本の伝統的なマナーの一つであり、特に地方の農家の家庭では、心遣いとしてお茶や軽食を提供することが一般的でしたが、現代ではコンビニの普及により、その習慣も変化しています。
この記事では、現代のマナー、植木屋さんの負担にならないお茶出しの方法や依頼時に伝えたほうがいい事についてと、剪定・伐採にまつわる近隣トラブルの予防法についても調べてまとめました。
お茶出しの基本マナー

お茶出しは原則不要
現代では植木屋さんへのお茶出しは原則不要です。理由は、1~2時間で終わる作業なら休憩をとらずに次の現場へ移動して1日に何件も仕事をこなす方が多いのと、移動時間や休憩時間を利用して自分でコンビニで飲み物や食べ物を購入する方がほとんどだからです。
中には糖尿病やアレルギーなど健康上の理由で飲食物を受け取るのを断る方もいるので、植木屋さんからお茶出しは不要と言われたら出さなくて大丈夫でしょう。
もしどうしても何かお出ししたいなら、一般的に1日作業の場合、植木屋さんは午前10時と午後3時に小休憩、12時に昼休憩をとるので、そのタイミングに合わせて提供すると作業に支障がでないのでおすすめです。
セルフサービスで飲みやすいように提供する
作業の合間にセルフサービスで自由に飲めるようにするのも助かるようで、夏には冷たい麦茶やスポーツドリンク、冬には温かい緑茶やココアをポットで用意します。
半日作業の場合は、移動しながら飲食できるので、作業後にペットボトル飲料や個包装のお菓子などをお渡しする方が喜ばれます。
このように現代ではなくなりつつあるお茶出しですが、説明などせず黙々と作業するタイプの職人さんだとお茶をきっかけにコミュニケーションをとれて、また今後も剪定をお願いしたいと思う職人さんと、ゆっくりお話ししたり、相談するきっかけにもなります。
トイレの利用について
トイレの貸出も原則不要
昔の農家では、作業靴を脱がずに使える外トイレが一般的だったため利用してもらっていましたが、現代では、休憩時にコンビニや公園、スーパーのトイレを利用することが多く、特に気遣う必要はありません。
職人さんも作業靴を脱ぐ手間や家の中に枝葉や虫を持ち込む可能性を考えると、たとえ「トイレを利用してくださいね」と言われても利用しにくいので、かわりに近所のコンビニの場所などを伝えると良いでしょう。
木を切ってもらったお礼は必要?
原則不要、もし渡すなら朝一番に
かつては心付けといって現金でのお礼を渡す風習もありましたが、現代では見積に含まれている為不要だったり、どうしても渡したいのであれば朝一番にお茶代として渡すと向こうも受け取りやすいでしょう。
植木屋さんに伝えておいた方がいいこと
剪定について打ち合わせしても、伝え忘れると思わぬトラブルの元になることがあるので、以下について作業開始前に伝え忘れていないか確認しましょう。
立ち入ってほしくない場所を伝える
家の中の様子が見える、ハチの巣があり危険などの理由で立ち入ってほしくない場所があればあらかじめ伝えておきましょう。
とはいえ、作業の都合上立ち入る必要がある場合もあるので、その際はカーテンを閉めて家の中が見えないようにしたり、事前にハチ駆除を頼むなど対処しておきましょう。
ペットの有無を伝える
剪定を依頼する際は必ずペットの有無を伝え、作業開始前にも再度伝えましょう。
なぜなら普段はおとなしくても剪定作業中の騒音や振動に驚いてペットが暴れたり、作業者に近づきすぎて思わぬ事故に繋がる恐れもあるからです。
またペットの有無を伝えるだけではなく、ペットを安全な場所に移動させたり、ケージに入れておくなどの必要な対処をとりましょう。
植木屋さんの休憩・お茶出しへの考え方
植木屋さんの大多数の方はこんな風に考えているようです。
剪定作業は肉体労働であり、特に近年の酷暑の中での作業は熱中症のリスクも高い為、休憩の回数を増やし、水分補給や冷房の効いた車内で休んで体調管理をするそうです。
また冬場は日没が早く手元が見えなくなると作業できなくなる為、作業は4時頃までに終えるよう段取りを組み、季節に応じて様々な工夫をしながら、手際よく作業をする為に人それぞれ考え方が違います。
可能ならば、打ち合わせの時に作業のスケジュールなど職人さんに色々聞いてみるといいでしょう。
剪定時のご近所への挨拶について
ここまでは職人さんに対する配慮やマナーをお伝えしましたが、特に庭が隣接している際に近隣の方と騒音トラブルになることがあるので、作業の1~2日前にちょっとした手土産を持参して、ご挨拶に伺いましょう。
作業日時・剪定の為に庭に業者が立ち入ること・作業内容について伝えますが、特に伐採作業など騒音が発生する見込みがある時は「ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」と一言添えると良いでしょう。
直接対面で挨拶できるのが一番良いのですが、相手の在宅のタイミングがわからなかったり、挨拶に行く時間がどうしても取れない時は以下のように手紙でお知らせしましょう。
<例文>
〇〇様
この度、[場所]の[樹木の種類]の剪定作業を行うことになりました。つきましては、[作業期間]の間、騒音や振動など、ご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、何卒ご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
作業中は、安全に十分配慮し、近隣の方々への影響を最小限に抑えるよう努めます。何かご不明な点やご心配なことがございましたら、お気軽にお声かけください。
[連絡先]
[日付]
[名前]
隣との敷地の境界付近の庭木を剪定する際には特に注意が必要で、間違って隣人の木を切らないように注意し、作業で出た枝葉が残らないように綺麗に片づけるなど、自分で行う場合はもちろん、業者に依頼する場合もトラブルの元をなくしましょう。
剪定のお礼|まとめ
- 今は植木屋さんに作業をお願いする時でもお茶出しやトイレの貸出は原則不要
- どうしても何かお出ししたいなら受け取りやすいタイミングと形に工夫しよう
- 立ち入ってほしくない場所やペットの有無は事前に伝えよう
- 挨拶はできれば直接対面で、1~2日前に!
- 作業日時を伝えると共に騒音が出るかもしれない場合はその旨も伝えましょう
- どうしても対面が難しいならお手紙で
剪定・伐採に関するトラブルは事前の準備で起きる可能性を減らすことができるので、自分の庭で行う作業でも、近隣に影響を与えるという自覚を持って気遣いできるといいですね。