庭のアクセントや和風の雰囲気づくりに人気のトクサ。スラっとした見た目が美しく、手間がかからない植物として注目されています。しかし、実際に植えてみたら「どんどん広がって困った」「他の植物がダメになった」など、後悔の声も少なくありません。
この記事では、トクサを庭に植えてはいけない理由や、その対策、植えるならどうすればいいのかなど、トラブルを防ぐための情報をまとめました。
「もう植えてしまった」「これから植える予定だけど迷っている」そんな方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
トクサ(砥草)とは?庭によく使われる理由は?
トクサ(砥草)は、細長く直立する茎を特徴とする常緑性の多年草で、和風庭園や坪庭などでよく使われる植物です。スギナに似た姿から「スギナの仲間?」と思われがちですが、実はトクサはトクサ科に属し、まったく別種の植物です。
葉はほとんど目立たず、節ごとに細かく区切られた緑色の茎が美しいラインを描きます。そのため、石や苔との相性がよく、シンプルで落ち着いた雰囲気を演出するために好まれています。また、手入れが少なくて済むため「初心者向け」と紹介されることも多く、庭づくりの一部に取り入れられがちです。
トクサを植えてはいけない理由
一見おしゃれで管理も楽そうなトクサですが、実際に植えてみた人の多くが「後悔した」と感じる理由がいくつもあります。
まず最大の問題は、地下茎によってどんどん広がる性質です。地中で根が四方八方に伸びていくため、気づいたときには隣の花壇や芝生、コンクリートの隙間にまで侵入してしまうこともあります。これが厄介で、一度広がったトクサは手で抜いても簡単にはなくならず、完全に根絶するには相当の労力がかかります。
さらに、強い生命力を持つため、少しでも根が残っていればまた再生してしまいます。「雑草化しやすい植物」として認識すべきでしょう。
また、繁殖のスピードが早いため、他の植物の生育スペースを奪ってしまうこともあります。庭全体のバランスが崩れ、思い描いたデザインが崩れてしまう可能性もあるのです。
トクサの風水や縁起との関係は?
トクサは風水や縁起の面でも意見が分かれる植物です。
一部では「まっすぐ天に向かって伸びる姿が、運気の上昇を象徴していて良い」とする見方もあります。特に和風の玄関先や坪庭に植えられているのは、清潔感や気の流れを整える効果を期待してのことです。
しかし一方で、「節目が多すぎて運気が滞る」「風通しが悪くなる」「鋭くて強すぎる気を持つ」といった、あまり良くない意味合いで語られることもあります。風水では植物の「気」が空間に影響すると考えられるため、強すぎる気を放つトクサは、人によっては避けた方がよいとされています。
また、古くからの言い伝えでは「刃物のような姿が家庭運を断ち切る」など、縁起の悪さを指摘する声もあります。見た目の美しさだけで選ばず、家族の運気やバランスを大事にしたい方は慎重に検討しましょう。
トクサの剪定方法と根止め対策
トクサは基本的に丈夫な植物ですが、手入れを怠るとすぐに繁茂しすぎて庭の景観を乱してしまいます。そこで重要なのが定期的な剪定と根止め対策です。
まず剪定方法についてですが、トクサは茎の部分をハサミでカットするだけでOKです。茶色く枯れた茎や、伸びすぎて不格好になった部分を根元から切り取るようにしましょう。剪定は春から秋にかけての生育期に行うのが理想です。
ただし、見た目をきれいに整えるために一気に切りすぎると、トクサの魅力が損なわれてしまうこともあります。様子を見ながら少しずつ手入れするのがコツです。
次に根止め対策ですが、これは地植えする際の必須項目です。トクサは地下茎で横へと広がるため、プラスチックやコンクリートなどで物理的に囲って拡大を防ぐ必要があります。ホームセンターなどで購入できる「根止めシート」や「仕切り材」を活用するとよいでしょう。
ただし、根止めの設置にはある程度の深さ(最低でも30〜40cm程度)が必要で、手作業での施工は大変です。庭の規模や条件によっては、剪定・伐採業者に依頼して設置してもらうのも賢い選択です。
トクサを植えるなら鉢植えや工夫で安全に楽しもう
トクサを「見た目が好きだから取り入れたい」「和の庭に合うから使いたい」と感じる方も少なくありません。実際、スラっとした姿と深い緑は、石や苔との相性もよく、和モダンな雰囲気を演出できます。
しかし、増えすぎや根の侵食といったリスクを避けるためには、地植えはできるだけ避け、鉢植えで管理することを基本としましょう。
鉢植えで管理するメリットと育て方のポイント
鉢やプランターに植えることで、地下茎の広がりを物理的に制限できます。これは「トクサが暴走するのを防ぐ」最も有効な方法です。
トクサ自体はとても丈夫な植物で、日陰や乾燥にも比較的強いため、育て方は難しくありません。
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水やり:土の表面が乾いてからで十分
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肥料:控えめでOK。与えすぎると茎が徒長する原因に
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日当たり:半日陰~日陰でも元気に育つ
ただし注意したいのは、鉢の中で根が密になりやすいという点です。定期的な植え替えや株分けを怠ると根詰まりを起こし、かえって元気がなくなります。
また、鉢の底から根が出てくるようなら要注意です。地面に直接置いている場合は、そこから地下に根が侵入してしまうリスクがあるため、鉢はコンクリートやブロック上に設置するなどの工夫が必要です。
どうしても地植えしたい人のための対策・工夫
「やっぱり庭に直接植えたい」「自然な雰囲気を大事にしたい」という場合は、完全に地植えにするのではなく、制限を設けながら取り入れる工夫が必要です。以下の方法を参考にしてください。
・地面に埋め込んだ鉢に植える(擬似地植え)
通常より深めのプランターや植木鉢を地中に埋め、その中にトクサを植えることで、見た目は地植えのように自然に見せつつ、地下茎の拡大を物理的に防げます。
・ブロックや石材で囲う
レンガやコンクリートブロックで周囲を囲んで区画化するのも有効です。特に深さのあるものや、地下に埋め込める仕切り材を使うことで、根の侵入を防ぎやすくなります。
・間隔をあけて植える
密に植えると繁茂しやすく、剪定の手間も増します。株同士の間隔を適度にあけることで風通しがよくなり、広がりすぎるのをある程度抑制できます。見た目にもすっきりとした印象を保てます。
油断せず、定期的なチェックと手入れを忘れずに
どのような方法で植えたとしても、定期的な剪定と根のチェックは必須です。トクサは少しの油断で一気に広がる性質があるため、放置してしまうと管理が追いつかなくなります。
特に梅雨や初夏など生育が活発な時期には、週に一度は様子を見るようにすると安心です。植える場所や方法を工夫することで、リスクを抑えながらトクサの美しさを長く楽しむことができます。
トクサを植えて後悔した人の実例とよくある失敗談
実際にトクサを庭に植えて「しまった」と感じた人の声を見てみると、その多くが共通した悩みを抱えています。以下は、よくある実例です。
・地植えにしたら、思った以上のスピードで広がった
最初は石の間に数本だけ植えたつもりが、1年足らずで周囲の砂利エリアや花壇まで侵食。目立たないうちに地下茎が伸びていたため、気づいたときには他の植物を巻き込んでしまい、すべて抜き取る羽目になったというケースもあります。
・抜いても抜いても生えてくる
トクサは少しでも根が残っていれば、そこから再生する力があります。「完全に抜いたはずなのに、翌春また出てきた」という声は非常に多く、表面的な処理だけでは対処しきれません。
・コンクリートの隙間や排水口まで入り込む
とくに古い庭や、タイル貼り・ブロック施工の隙間などから根が侵入し、意図しない場所にまで広がることがあります。排水性の悪化や構造物への影響を懸念して、やむなく業者に依頼することになったケースも。
・見た目が想像以上にワイルドになった
SNSや雑誌で見たような「和風モダン」の雰囲気を目指して植えたが、想定以上に密生して荒れた印象に。数本ならスタイリッシュでも、まとまると「草が生い茂っただけ」に見えてしまったという意見も聞かれます。
このように、ちょっとした油断が大きな後悔につながることもあるため、「とりあえず植えてみよう」という軽い気持ちは危険です。
トクサの根絶は本当にできる?実際の対策と期間の目安
いったん繁茂してしまったトクサを根絶するには、相応の時間と労力が必要になります。以下に、一般的な対策方法と、それぞれの注意点をまとめました。
対策
1. 定期的な掘り取りと間引き(物理的除去)
地中深くまで伸びた根をひとつ残らず掘り出す方法です。
→ 効果:確実だが重労働。再発の可能性あり。
掘り残しがあると再生してしまうため、最低でも2〜3回は繰り返し掘る必要があります。
2. 除草剤による処理
地下茎にまで浸透するタイプの除草剤(グリホサート系など)を使います。
→ 効果:比較的手軽だが、周囲の植物にも影響あり。
使用には注意が必要で、ピンポイントで処理しないと他の草花まで枯らす恐れがあります。
3. 根止め施工と再発防止
根の広がりを物理的に防ぎながら、残ったトクサを少しずつ抑制していく方法です。
→ 効果:継続管理が前提。防根シートの設置がカギ。
プロの業者に相談すれば、庭の形状に合わせた根止め対策を提案してもらえます。
完全にトクサを根絶するには、数か月から数年単位での管理が必要になることもあります。表面に見える部分がなくなっても、地下にはしばらく根が残るため、焦らず長期的な視点で対応していきましょう。
自力での対処が難しい場合は業者に相談も
トクサが広がりすぎて手に負えなくなった場合、またはこれから植える際にしっかり対策したいという場合には、剪定・伐採の専門業者への相談を検討してみましょう。
特に、すでに地下茎が庭の広範囲に張り巡らされている場合、自力で掘り起こして根絶するのは非常に困難です。無理にやると他の植物の根を傷めてしまうリスクもあります。プロの手を借りることで、効率よく、そして的確にトクサの問題を解消できます。
また、根止めの施工や鉢植えへの移植なども、プロであれば庭全体のバランスを考慮しながら提案してくれるため、安心して任せられます。見積もりや相談は無料の業者も多いので、ひとりで悩まず、まずは気軽に問い合わせてみると良いでしょう。
まとめ|トクサを植える前に知っておきたいポイント
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トクサは見た目は美しいが、地下茎で広がりすぎてしまう性質がある
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地植えは注意が必要で、鉢植えや根止め施工による管理が望ましい
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剪定や間引きで美しさを保ちつつ、増えすぎを防ぐことが重要
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風水や縁起面では賛否あり、家庭の状況に合わせて判断を
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自力での管理が難しい場合は、専門業者への相談が安心で確実
トクサは適切に管理すれば美しい庭づくりに貢献してくれる植物ですが、ちょっとした油断で後悔につながることも少なくありません。
トラブルを未然に防ぎ、長く楽しむためにも、植える前の計画や管理方法をしっかり確認しておきましょう。