伐採作業には、木を切り倒すだけでなく、危険を伴う作業が多く含まれるため、ただ動きやすい服装ではなく、切創・落下物・虫刺されといったさまざまな危険から身を守る機能と快適に作業し続けるための通気性や吸汗性なども考慮して選ぶ必要があります。
この記事では伐採に適した服装の選び方のポイントをまとめました。

伐採に適した服装とは?
伐採作業に適した服装は、以下のポイントを押さえて選ぶと良いでしょう。
- 素材
耐久性、通気性、吸汗性、防水性、伸縮性を備えている素材が望ましい - 機能性
特にチェーンソー使用時は切創防止機能は必須 - 色・反射材
鮮やかな色や蛍光色、反射材は、暗い場所や障害物が多い場所でも自分の位置を認識してもらいやすくなり、事故のリスクを低減できる
具体的な服装・装備について
安全に伐採作業を行うための服装として、以下が挙げられます。
ヘルメット

(2025/07/14 11:45:34時点 楽天市場調べ-詳細)
チェーンソー使用時に飛んでくる枝や切りくずといった落下物から頭部を保護します。
- あご紐をしっかり締め、頭に合ったサイズのものを使用する
- 使用前にひび割れや損傷がないか確認する
- 耐用年数を確認し、期限切れのものは使用しない
保護メガネ/ゴーグル

(2025/07/14 11:45:34時点 楽天市場調べ-詳細)
チェーンソーを使用した際に飛んでくる切りくずや粉塵から目を保護します。
- 顔にフィットし、隙間がないものを選ぶ
- 曇り止め加工がされているものがおすすめ
- 傷や汚れがないか確認してから使う
イヤーマフ/耳栓

(2025/07/14 11:45:34時点 楽天市場調べ-詳細)
チェーンソーなどの騒音から耳を保護します。
- 騒音レベルに合わせて適切な遮音性能のものを選ぶ
- イヤーマフは耳全体を覆うように装着し、耳栓は正しく挿入する
手袋

(2025/07/14 00:19:10時点 楽天市場調べ-詳細)
手の保護と滑り止め効果もあります。
- 作業内容に合った素材と厚さの手袋を選ぶ
- チェーンソー作業の場合は、切創防止機能・振動軽減手袋が推奨
- 破れや損傷がないか確認し、清潔な状態で使用する
作業着(上着とズボン)

(2025/07/14 16:23:09時点 楽天市場調べ-詳細)
通年、袖口が締まっている長袖・長ズボンを着用し、肌の露出をできるだけ避けます。
特にチェーンソー作業の場合は、切創防止機能を持つ防護服(チェーンソーパンツ・チャップス)の着用が義務付けられています。
- 体に合ったサイズで、動きやすいものを選ぶ
- 破れやほつれがないか確認し、清潔な状態で使用する
- チェーンソー作業の場合は、必ず防護服を着用
安全靴

(2025/07/14 16:23:10時点 楽天市場調べ-詳細)
落下物や間違って刃物を当てた時も足を保護するため、鋼製つま先・甲ガード付きの滑りにくい靴底のものを選び、足首まで保護するハイカットのものがおすすめです。
- 足に合ったサイズで、紐をしっかり締めて履く
- 靴底の摩耗や損傷がないか確認する
その他
季節や天候によって適切な服装は異なってきます。
夏場は通気性の良い素材を選び、熱中症対策を行う必要がありますし、冬場は保温性の高い作業服を着用しつつも、動きやすさを損なわないよう注意が必要です。雨天時は、防水性のあるレインウェアを着用し、濡れて体温が低下しないようにしましょう。

服装を選ぶ際に確認すべきこと

伐採作業時の服装選びには、快適さに加えて安全に作業できることが大切で、特にチェーンソー作業を行う場合は、切創防止機能を持つ防護服の着用が義務付けられているため、防護服の認証規格を確認し、規格を満たしたものを選びましょう。
またフィット感も重要で、できれば動きを妨げない適切なサイズを試着して選び、使用後も定期的に洗濯や点検を行うことで、快適な作業ができます。
チェーンソー防護服について
防護ズボン(プロテクティブパンツ/チャップス)
内部に高強度の繊維(例:ケブラーやポリエステル)が詰められており、チェーンソーが触れると、繊維が刃に巻き込まれて回転を止めます。
クラス1~3に分かれていて、対応可能なチェーンソーの速度(例:20m/s、24m/s、28m/s)が異なり、さらにタイプA(前面のみ防護)とタイプC(全面防護)の2種類があり、プロ用途ではCタイプが推奨されることもあります。
防護ジャケット
上半身の切創を防ぐ目的で着用し、通気性・耐久性に優れた素材で作られ、視認性の高い蛍光色(オレンジや黄緑など)が使われます。
チェーンソー防護服は、チェーンソー作業中の事故から着用者を守る重要な保護具であり、その安全性を確保するために、様々な認証制度が存在します。
認証の種類
チェーンソー防護服の認証には、主に以下の2つの種類があります。
- 製品認証
製品が規格に適合していることを第三者機関が認証するもので、認証マークやラベルが付与されます。 - 自己認証
製造者が自社の製品が規格に適合していることを宣言するもので、第三者機関の認証は受けていません。
チェーンソー防護服を選ぶ際には、認証を取得している製品を選ぶことが重要で、特にISO11393やEN381などの国際規格に適合している製品はより高い安全性が期待できます。
主な認証規格
- ISO 11393
国際標準化機構(ISO)が定めるチェーンソー防護服の規格で、切断抵抗性、強度、人間工学に基づいた設計など、様々な性能要件が規定されています。 - JIS T 8125
日本産業規格(JIS)のチェーンソー防護服規格で、ISO 11393に準拠しており、日本の安全基準に適合しています。 - EN 381
欧州規格(EN)のチェーンソー防護服規格で、ISO 11393と同様の性能要件に加え、欧州独自の安全基準も含まれています。
チェーンソー防護服を選ぶ際には、作業内容や体格に合ったものを選び、また防護服は消耗品のため、定期的な点検と適宜交換を行いましょう。
まとめ
この記事では伐採時の服装の選び方について解説しました。
- 基本は通年長袖長ズボンに安全確保のための装備(ヘルメット+ゴーグル+安全靴)着用
- チェーンソー作業では安全基準を満たした装備を着用する義務あり
- 安全確保+季節や天候を考慮して快適に作業できる服装を選ぼう
この記事が、安全で快適な伐採作業の一助になれば幸いです。