庭に植えたびわの木が「貧乏になる」「不吉の象徴」と聞いたことはありませんか?
しかし、実際には正しい管理をすれば悪い気を招くどころか、豊かな実りをもたらす縁起の良い植物でもあるのです。
この記事では、びわの木がなぜ不吉と言われるのか、その背景とともに、風水を意識した安全な育て方を紹介します。
びわ(枇杷)の木は不吉と言われる理由とは?

びわの木は古くから「不吉の木」「貧乏になる木」として語られてきました。その理由は、風水だけでなく、民間信仰や生活習慣にも深く関わっています。
昔の人々は、びわの木の下に病人が寝ると治りが悪くなる、家の近くに植えると家運が下がると信じていました。これは、びわの葉が薬効を持つことに由来します。びわの葉は古くから薬草として利用され、病気の人の家の庭に植えられることが多かったため、「病人の家にある木=縁起が悪い」と誤って認識されるようになったのです。
また、びわの木は葉が大きく、枝が茂りすぎることで日当たりを遮ることがあります。これも「家に影を落とす=運気を下げる」と風水的に嫌われる要因とされています。しかし、実際にはびわの木そのものに不吉な力があるわけではありません。誤解から生まれた風評といえるでしょう。
近年では、風水の考え方を尊重しつつも、びわの木を健康や豊かさの象徴として育てる人も増えています。重要なのは「植える場所」と「管理方法」です。これを誤らなければ、びわの木はむしろ家庭に実りをもたらす存在になります。
風水で見るびわの木の位置と運気の関係
風水の観点から見ると、びわの木の「位置」はとても重要です。特に注意すべきなのは、「家の中心から見てどの方角に植えるか」と「日当たり・風通しの良さ」です。
びわの木は南西(鬼門の反対側)や北西の方角に植えると、家の安定運・健康運を損なうとされています。反対に、東や南の方角に植えると、太陽のエネルギーを受けやすく、木の成長が良くなり、良い気を取り込めるといわれています。
また、玄関の正面や家の真ん前に大きく育てると、風水的には「気の流れを遮る」ことになり、金運や人間関係の停滞につながるとされています。そのため、植える際は建物から少し離し、風の通り道を確保することが大切です。
もしすでに庭にびわの木があり、方角的に気になる位置にある場合は、定期的な剪定で枝を軽くすることで「気の流れ」を整えることができます。枝が混み合うと風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなるため、風水的にも衛生的にも剪定は欠かせません。
びわの木を庭に植えるときのリスク|現実的な理由
びわの木を「庭に植えてはいけない」と言われる理由には、風水的な面だけでなく、現実的な問題も多くあります。
まず、びわの木は成長が早く、根が非常に強いのが特徴です。放置しておくと根が地中でどんどん広がり、塀や家の基礎部分に影響を与えることもあります。また、落ち葉が多く掃除が大変なほか、実が落ちる季節には甘い香りに誘われてハエやカラス、アリなどの害虫・害獣が寄りつくことも少なくありません。
特に実が熟した時期には、地面に落ちて腐敗しやすく、臭いが出ることもあります。これが「不潔」「不吉」とされる印象を強めた要因でもあります。
さらに、びわの木は高さが5〜10メートルに達することもあり、狭い庭では圧迫感を与えてしまいます。家や隣家への日当たりを遮るようになると、トラブルの原因にもなりかねません。そのため、家庭でびわの木を楽しみたい場合は、後述するように鉢植えで育てる方法がおすすめです。
びわの木を切るタイミングと剪定のポイント
びわの木を「切ると縁起が悪い」と言われることもありますが、実際には正しい時期に剪定すれば運気を損なうことはありません。むしろ、伸びすぎた枝を放置するほうが、木の健康にも家の気の流れにも悪影響を与えます。
剪定に最適なのは、実の収穫が終わった6〜7月頃
この時期に混み合った枝や古い枝を整理しておくことで、翌年の実つきが良くなります。また、剪定時に枯れ枝や病害虫の被害がある部分を取り除くことで、木の生命力を保ち、庭全体の気もすっきりとします。
ただし、真夏や真冬の剪定は避けましょう。暑さや寒さのストレスで木が弱る原因になります。剪定作業が高所になる場合は無理をせず、プロの剪定業者に依頼するのも安全です。業者に頼むことで、木の形を整えながら風水的な「気の流れ」も調整できます。
次の章では、びわの木を地植えではなく鉢植えで安全に楽しむ方法について紹介します。
鉢植えなら安全?枇杷の木を上手に育てる方法
びわの木を「不吉」と言われる原因の多くは、庭に地植えしたときの管理の難しさにあります。そこでおすすめなのが、鉢植えでの育成です。鉢植えにすることで根の広がりを制限でき、家の基礎や他の植物への影響を防ぐことができます。さらに、風水的にも「悪い気がこもりにくく、移動できる」という利点があります。
鉢植えにする場合
直径30〜40cm以上の大きめの鉢を用意し、排水性の良い土を使用しましょう。びわは乾燥を嫌うため、水はけを良くしながらも適度な保湿を保つ土壌が理想です。市販の果樹用培養土に腐葉土を混ぜるとよいでしょう。
日当たりのよい場所を好むため、南向きのベランダや庭先などに置くのが最適です。冬場の寒風を避けるために、移動できる鉢は非常に便利です。春先から初夏にかけて新芽が出る時期は、特に日光をしっかりと当てることで、葉の艶やかな緑が保たれます。
また、根が鉢の中で詰まってくると成長が止まりやすいため、2〜3年に一度は一回り大きな鉢に植え替えるか、古い根を整理してあげましょう。定期的に古い土を入れ替えることで病害虫の発生も防げます。
鉢植えびわの剪定と実つきのコツ
鉢植えのびわは地植えよりも枝の成長がゆるやかなので、剪定は年1回で十分です。形を整えることを意識して、外側に向かって伸びる枝を残すように切りましょう。中央が混み合わないようにすることで風通しがよくなり、病気を防げます。
また、実をつけたい場合は、枝の先端に花芽ができる性質を理解しておくことが大切です。花芽が形成される前に枝を切りすぎると、翌年の実が減ってしまうため、秋以降の強剪定は避けるのがコツです。
鉢植えでもびわは十分に実をつけます。果実を育てながら、風水的にもバランスを保てる方法といえるでしょう。
びわの葉の活用と栽培の楽しみ方
びわの葉は古来から薬用植物として親しまれてきました。民間療法では、びわの葉を乾燥させてお茶にしたり、葉エキスを肌のケアや湿布として使う方法もあります。これにより、びわは「健康を守る木」としての一面も持っているのです。
びわの葉を活用する際は、柔らかい若葉よりも、成熟して表面がつややかな葉を選ぶのがポイントです。採取後は水洗いして陰干しし、完全に乾かしてから保存します。びわの葉茶として楽しむ場合、香ばしい風味があり、リラックス効果も期待できます。
また、びわの種から育てることもできます。果実を食べた後の種をよく洗い、ぬるま湯に一晩つけてから植えると発芽しやすくなります。深めの鉢に1粒ずつ植え、暖かい場所に置くと2〜3週間ほどで芽が出てきます。
ただし、種から育てたびわは実がなるまでに数年かかることがあります。観葉植物として楽しみながら、成長を見守る気持ちで育てるのがおすすめです。
風水を意識しつつ安全に管理するには
びわの木を家の周りに植える際、最も重要なのは「バランスの取れた管理」です。木が過剰に茂ると、風通しが悪くなり、気の流れも滞ってしまいます。風水的に言えば、「停滞した気」は家全体の運気を下げる原因になるとされています。
そのため、定期的な剪定や枝の間引きが欠かせません。自分でできる範囲の剪定であれば、枝先を軽く整えるだけでも十分効果がありますが、大きくなりすぎた木や高い位置の枝を切るのは危険です。
このような場合は、専門の剪定・伐採業者に相談するのも良い選択です。プロの業者は木の健康状態を見極め、適切な枝を選んで切るため、びわの木の寿命を延ばすことにもつながります。さらに、風水的にも「気を整える剪定」として良い運気を保つサポートになります。
びわの木は、正しい場所に植え、適切に手をかけてあげれば決して不吉な木ではありません。むしろ、長寿や実りの象徴として、家庭に安定をもたらす木なのです。
まとめ
びわの木が「不吉」と言われるのは、風水的な位置や昔の言い伝えに由来するものです。しかし、正しい知識を持って育てれば、びわの木は健康運や豊かさをもたらす存在になります。
- びわの木は「病人の木」と誤解されてきたが、実際は薬用効果のある木
- 植える方角や剪定のタイミングを守れば、風水的にも問題なし
- 鉢植えでの管理なら根の暴走を防ぎ、安全に育てられる
- 定期的な剪定や専門業者の利用で、木と家の気の流れを整える
びわの木を怖がる必要はありません。しっかりと手入れをして、運気と健康を呼び込む「幸せの木」として楽しんでみてはいかがでしょうか?
この記事があなたの庭のびわの木のケアに役立てば幸いです。